非電化路線の高圧配電線|伊勢鉄道山の神踏切で観察する




鉄道コム


ここ最近は架線というより高圧配電線について触れることが多いです。
変電所を知る上では高圧配電線も欠かすことはできません。
高圧配電線は駅や沿線設備に電気を供給するものなので、
電化していても非電化でも関係ありません。
非電化路線での高圧配電線はどうなっているのかという話です。


[スポンサードリンク]


 

調査対象に選んだのは伊勢鉄道伊勢線です。
伊勢鉄道は国鉄から経営分離された第三セクター鉄道で、
計画されたのが1960年代で戦後の復興が一段落し、
国鉄が高速化に本腰を入れ始めた時期にあたります。

 

伊勢線は高規格路線となっており、踏切がほとんどありません。
なかでも今回触れる山の神踏切は伊勢鉄道が管理している唯一の踏切です。

 

ちょうど国鉄分離から30周年を迎えることもあって、
JR東海のさわやかウォーキングのゴール駅に指定され、
イベントも開催されるとあったのでやってきました。
伊勢鉄道が唯一管理する山の神踏切を交えて高圧配電線に触れていきます。

伊勢鉄道伊勢線の唯一の踏切の場所

山の神踏切はどのこにあるのか?
Google Mapsをのせておきます。

玉垣駅~鈴鹿駅の間にあります。
鈴鹿駅方面から高架を下ってすぐの場所です。

 

伊勢鉄道は第一種鉄道事業者です。
車両・沿線設備すべて伊勢鉄道が管理しています。

 

最初にも触れましたが、
伊勢鉄道が管理している踏切は山の神踏切だけです。
津駅付近に4箇所ありますが、
こちらは紀勢本線と共有でありJR東海の管理となっています。

伊勢鉄道線山の神踏切を観察

踏切自体はJRでよく見かけるタイプのものです。
最近のJR東海踏切は更新されているので、古いタイプと言えるかもしれません。

踏切名は特徴的ですね。
このあたりの地名は南玉垣だそうで山の神ではありません。
国鉄の踏切はときどき意味不明な名前があるので、
おそらくネタでつけた名前なのでしょう。

山の神踏切は交通量(自動車)が多い

伊勢鉄道を通過する車両と言えば保有する

  • イセIII形
  • キハ75系
  • キハ85系

の3形式がメインです。
撮影の被写体になるものではないのですが、
多気にあるダイヘン工場からシキ800による変圧器の貨物列車が走ります。
撮影で訪れる際はご注意ください。

末期の紀勢貨物も伊勢鉄道経由でした。

線路脇に立っているあの棒

ここからが本題の伊勢鉄道の高圧配電線の話です。
非電化路線に乗ると線路脇に架線柱のような棒が立っていますよね。
これが何かおわかりでしょうか…話の流れからお察しかと思いますが

 

高圧配電線です。

沿線設備に電気を供給するための電線路になります。

 

では、これが本当に高圧配電線と言えるのか?
それを証明してくれるのが山の神踏切です。

少し玉垣駅方向へ移動してみると見慣れたものがあります。

変圧器ですね。
変圧器があれば高圧配電線で確定します。

単相交流3300Vの信号高圧線

では、どういう電気が流れているのか?
私が知っている範囲では鉄道沿線の高圧配電線は

こちらで触れている通り

  • 単相交流3300V
  • 三相交流6600V

です。

 

電線路は合計2本です。
この2本が変圧器に接続されていることから、
おそらく単相交流3300Vが流れているものを見て良いかなと思っています。


[スポンサードリンク]


上の1本は架空地線

じっくり見ると3本ありますが、
これは碍子がないので架空地線(落雷保護)でしょう。

 

伊勢線は鈴鹿駅付近は高架を走行するため避雷針となる可能性はあります。
落雷は一番高い場所をめがけて落ちてくるので、
高圧配電線に向かって落ちてくることも十分あります。
それを回避するのがアース線的な架空地線なのです。

架空地線は必要か?

玉垣駅近くには中部電力末広変電所があります。
そのため特別高圧送電線がさらに高い位置にあります。

 

さらに地上区間では家庭用配電線が伊勢鉄道の高圧線を乗り越えていることが確認できるでしょう。
それぞれ頂点に架空地線が設置されているので、このあたりは架空地線だらけです。

 

名鉄は高架区間以外では架空地線は設置しない傾向にありますね。
高圧線は電車線と違って摩耗しませんから、交換されているかも怪しいです。
国鉄がこうしたからそのままにしている見方もあります。

 

高圧線はどこから来ているのか?

伊勢鉄道の沿線には高圧配電線が設置されていることがわかりました。
おそらく3300Vの信号高圧線でしょう。
さらに核心にせまるため高圧配電線を追いかけます。

鈴鹿方面から山の神踏切までは信号高圧線は下り線側(津方面)に設置されています。
踏切を越えるとしばらくして上り線側(四日市方面)に転移します。

玉垣駅手前で再び下り線に転移するも、駅構内の跨線橋手前で上り線へ転移。

玉垣駅津方面端まできたら下り線側へ転移します。
信号高圧線2本の下に3本の電線路が2セットも出てきました。
これは中部電力三相交流6600V配電線でしょう。

伊勢鉄道玉垣駅構内の変圧器へと到達していました。
おそらく電気は専用線ではなく家庭用配電線から
小分けするスタイルを取っているで良いでしょう。

これとよく似た変電をしているのが名鉄蒲郡線の形原変電所です。
こちらはき電の電気を作っているので直流変換のため
設備も大がかりですが、
伊勢鉄道は非電化で交流送電のため降圧するのみ。
変電所はありませんでした。

 

仮に伊勢鉄道が電化したていた場合でも、
運行本数を考えると形原変電所と同じようになるでしょう。
変電所も本社敷地内に設置されるものと思われます。
すぐ近くに中部電力末広変電所もあるので。
玉垣に本社や車両基地ができたのはこれが理由かもしれません。

画像は30周年記念イベントの車庫開放時に撮影しています。
普段は関係者以外は立ち入り禁止なのでお間違いなく。

 

高圧配電線は絶対必要ではない

伊勢鉄道はこのように高圧配電線の設備を持っています。
しかし、なかには設置しない事例もあるようです。

 

というのも信号や踏切は家庭用の単相交流100Vで稼働するため、
近くに民家があって家庭用配電線があれば、
そこから供給することができるのです。

 

智頭急行の画像を見ると電線路はないように見えます。
おそらく専用の高圧線は持っていないのでしょう。
(現地取材をしないとわかりませんが)

北越急行は電気鉄道なので高圧配電線がありますね。
しかも時代に合わせて三相交流送電をしています。

 

こうして地上設備をみていくと事業者の考え方が見えてくるので面白いです。



[スポンサードリンク]




鉄道コム


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です