名鉄犬山線石仏変電所の高圧配電線




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前の記事までは車両に電気を供給する回路の話でした。
変電所は架線に電気を供給して使用後の電気を戻すことで
回路を組むわけですが、もう一つ重要な役割があります。
それが高圧配電線の変電です。
最後に高圧配電線について触れておきましょう。


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追記================

鉄道ピクトリアル2009年3月臨時増刊号【特集】名古屋鉄道で一部裏取りができました。

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高圧線とは?

高圧線とはどんなものか?
と私も電気関係の専門家ではないので調べて分かる範囲で
書いていきます。
日本電気技術者協会の資料をみると


出典:電圧の区分と施設規制 – 日本電気技術者協会

と定義しているようです。

直流600Vは低電圧に分類されています。
日本では路面電車・地方私鉄・地下鉄で直流600Vが採用されています。
これらは低電圧の鉄道と分類することができそうです。

 

特別高圧は直流・交流ともに7000V以上としています。
初代新幹線の0系や後継車である100系など古い型の新幹線は
パンタグラフが非常に多いのが特徴です。

それに対して最新型では多くても2箇所しかありません。
なぜこれができるかというと車両間に特高圧引通線があるからです。
ここには交流25000Vが流れますので、
特高圧引通線
と呼ばれる理由も見えてきますね。

 

話がそれましたが、
今回取り扱うのは交流なので600V~7000V
の電圧で電気が流れている電線路を高圧配電線です。

高圧配電線の目的


※西桑名第2号踏切

沿線にある閉塞信号や踏切といった鉄道施設を動かすためです。
地上設備は単相交流100Vで動作します。
そのため車両に供給する直流電源では動作できないため
別途高圧線を設けて供給します。

 

ただ、100Vで配電してしまうとここまで触れてきたように
送電ロスで距離が稼げません。
機器があるところまでは高圧で送り出して、
機器付近で変圧器によって100Vまで降圧して供給するスタイル
をとっているわけです。

 

これは鉄道の高圧配電線だけでなく電力事業者が家庭用で配電している
高圧配電線もまったく同じになります。

静止形インバータ(SIV)を使えばできるかも?

交流車両はわかりませんが、
直流車両は取り込んだ電気を静止形インバータ(SIV)を通して
交流100Vに変換して制御機器、空調機器、室内灯などの
電気として使用しています。

 

そのため地上設備に静止形インバータを組み込めば高圧配電線は
不要になるかもしれません。
できるかどうかも不明ですが。

一般的に三相交流6600V、しかし名鉄は?

鉄道の高圧配電線がどうこうという話は鉄道ファンの間でも
まず語られない話なので一般的という表現も正しいのか
疑問ですが、高圧配電線は三相交流6600Vが採用されていると言われています。

JR東海の架線柱を見ると3本線が見えます。
おそらくこれが高圧配電線なのでしょう。
そして6600Vが流れていると思われます。

追記==============

JR東海飯田線の平井踏切の変圧器で6600Vを確認しました。

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電力会社から取り込まれる電気は三相交流です。
変電所内にある鉄塔も3本セットが2系統ですね。
2系統なのは二重化のためと思われます。

 

 

直流にするには複雑な行程を踏まないといけませんが、
三相交流6600Vで配電するとなると単純に降圧するだけ。
それに電力会社も使っている基準なので部品も共通化できて
コストカットにも寄与します。
三相交流6600Vを採用するのは自然な流れと言えるでしょう。

追記=============

1回線受電と2回線受電があるようです。
石仏変電所は2回線受電に分類されると思われます。
理由については書かれていませんでした。

出典:鉄道ピクトリアル2009年3月臨時増刊号【特集】名古屋鉄道 P69

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しかし、名鉄の方を見てみると


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ビーム櫓の一番上の2本が高圧配電線かと思われます。
2本しかないのです。

三相交流なら3本の電線路がなければいけないのですが、
どう探しても2本しか見当たりません。
実はこれがずっと疑問でした。

名鉄の高圧配電線は旧型か?

ここから実際に石仏変電所の高圧配電線について見ていきます。
高圧配電線は名古屋寄りの4本です。
これが枇杷島変電所と柏森変電所の方向に2本ずつ伸びるので
ビーム櫓上の2本が高圧配電線で間違いないでしょう。

ここに文字が書かれていたのでズームして撮影してみました。

3kV避雷器 この避雷器は6kV回路には使用できません。
名鉄の高圧配電線は3000Vのようです。
注意書きに6000V回路では使用できないとあるように、
標準は6600Vとなっています。

 

なぜわざわざ3000Vを採用しているのか?
ネットで調べてみると昭和30年代までは家庭用も3000V
による配電が行われていたようです。

追記=============

交流3300Vが使われていることが確認できました。

ただし、名鉄では6600Vも使われているようです。
2000年以降に増設された

  • 高横須賀変電所(2004年)
  • 日長変電所(2003年)
  • 常滑変電所(2004年)
  • 間内変電所(2002年)

これらの変電所で採用されているのではないかと。
犬山線柏森変電所が1997年開設なので確認します。

出典:鉄道ピクトリアル2009年3月臨時増刊号【特集】名古屋鉄道 P71

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配電は単相交流3000V?

そうするともう一つの疑問である高圧配電線2本の謎も
見えてくるような気がしました。
おそらく当時は三相交流ではなく単相交流での配電だったのでしょう。

 

変電所への電気の引き込みは三相交流にて行われています。
そのため電線路2本でまかなえる

  • 単相交流3000V
  • 二相交流3000V

のどちらかに変換する必要があります。
踏切や閉塞信号は単相交流100Vで動作するので、
普通に考えれば単相交流3000Vとなるでしょう。

そうすれば機器の変圧器は単相変換が不要です。
架線柱に備え付けられている柱上変圧器は家庭用配電6600Vの
ものより小ぶりな感じです。
内部の構造が見えないのでなんともいえませんが、
回路の省略ができるので小型化できているのではないでしょうか。

ちなみに三相交流を二相変換することもあります
北陸本線などで採用されているBTき電は三相二相変換変圧器を
使って二相交流を作り出しています。
特殊な事例なので名鉄でこれを採用する可能性はないでしょう。

名鉄犬山線石仏変電所を見てきましたが…

 

今回は用事があって石仏変電所の近くまで行ったので
観察をしてきました。
変電所は難しいと思ったので避けていたのですが、
結局よく分からないで終わりそうです。

 

しかし、輪郭の部分が見えたかなと言う点では
収穫は十分あったと思っています。
それに高圧配電線の謎も解けたような気がしました。
あとは専門家に振りたいと思います。

 

某私鉄保線員いわく「名鉄は独自路線を走っている」と
言っているのでどこまで分かるか未知数ですが。
自己満足で終わった変電所の取材でした。

1時間半くらいいたのですが、
その間に1000+1200系のリニューアル車が3回通過しました。
非リニューアルは1回でした。
ずいぶんと増えてきたなと感じます。

 

石仏から2つ岩倉寄りの踏切で撮影したのですが、
犬山方面のエアセクションクリア(8両クリア)の表示が
映り込んでいますね。
エアセクションに関しては特徴がないので今回は省略。



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