和歌山線の電化で採用されたY型直接吊架方式




鉄道コム


和歌山駅からは和歌山線に乗車します。
和歌山線も2009年に乗車済みで再訪問ということになります。
大回り乗車をする場合は和歌山を含めると和歌山線は必須であり、
本数も少ないので時間に余裕が無いとできません。
とは言え、実は和歌山線の電化はとてもおもしろいなと思いました。
今回は和歌山線の電化を見ながら王寺まで行くことにします。


[スポンサードリンク]


IMG_0707

和歌山線の昼間は途中の粉河駅止まりと王寺行きが30分間隔で
交互運転しています。
王寺行きはくろしおが到着する5分前に出るので55分待ちになります。
ですが、今回は架線観察もするので和歌山駅で長居する理由もありません。
粉河行きに乗車して先へ進みます。

和歌山線 エアセクション

和歌山駅を出るとすぐに紀勢本線和歌山市方面と分岐。
和歌山線はここから東方向に進むことになります。
分岐点にはエアセクションがありました。

 

架線柱は主に50m間隔で設置されるので両数クリアは
2両単位で行われます。
カーブの場合は設置距離がこれよりも短くなるため
2両分のクリアができない場合が出てきます。

 

一番奥にあるエアセクションクリア標識は両数が
書かれていないことに気づくかと思います。
もし2両分をクリアできない場合はエアセクションの
開始標識と同じものを使用して区間内であることを
示しているようです。

和歌山線 エアセクション

最大両数は8両でした。

和歌山線 エアセクション

WS000001

和歌山線の一部は日根野電車区新在家派出所の入出庫車両と
共用区間となっています。
この区間は紀勢本線・阪和線の回送列車も走行するということです。

 

分岐する場所にもエアセクション標識があります。
見てみるとセクションクリアの最大両数が6両。
和歌山線の最大両数は回送等含めて6両限界です。
先ほど見た8両の表示は新在家派出所への回送列車の
ためだけに存在していると言えるでしょう。

 

追記==========================

新在家派出所の分岐から先は布施屋変電所(単独き電)の担当範囲となります。
確認していないのでわかりませんが、

  • 1回目のエアセクション(阪和線・新在家派出所)
  • 2回目のエアセクション(新在家派出所・和歌山線)

ではないかと思います。
新在家派出所の構内き電が和歌山線上に出ているようです。
和歌山線は簡易電化なので回送列車の入出庫用給電しているのでしょう。

新在家派出所の先にエアセクションがある理由は上の記事で触れています。

============================

 

田井ノ瀬駅

田井ノ瀬に到着します。
ここで最初の交換が行われました。
なぜか行き先が王寺。


[スポンサードリンク]


和歌山線 381系

和歌山線には381系の停止位置目標があります。
団体列車でときどき381系の運用があるようです。
そのためのもと思われます。
踏切などを作動させるためかもしれません。

 

それを目的で撮影したのですが、
この画像を使っていろいろ書けそうなのでついでに
書いていきたいと思います。

 

和歌山線は国鉄末期に電化された路線です。
国鉄は赤字を抱えて分社化される道を進むのですが
それでも電化へのこだわりは捨てていなかったようです。
1980年に王寺~五条、1984年に五条~和歌山が電化しています。

 

お金の無い国鉄が知恵を絞って考案したのが部品点数を
減らした簡易電化と呼ばれる直接吊架方式です。
日本で一番多い吊架方式はシンプルカテナリーと呼ばれる
もので吊架線からハンガーをおろして電車線を吊る
というものです。

和歌山線 Y型直接吊架方式

それに対して和歌山線は吊架線を省略して直接電車線を
吊り下げる直接吊架方式を採用しました。
この電化方式は主に路面電車のような低速運転をする
鉄道路線では採用されます。


嵐電 直接吊架
(嵐電嵯峨駅にて)

京福電鉄嵐山線(嵐電)でも採用されています。
直接吊架方式を採用する場合最高速度が50km/hくらいに
抑えこまれるようです。

 

和歌山線の電化がどんな目的で行われたか分かりませんが、
電化して最高速度を50km/h程度まで抑えこまれては
電化する意味がありません。

 

パンタグラフは架線を持ち上げて進みます。

20150904-3

シンプルカテナリーの場合は吊架線の間にハンガーがあります。
余分なスペースがあり、
このスペースがパンタグラフが上に持ち上げる力を吸収
しているのです。

 

ボールと同じで泥沼にボールを投げると跳ね返ることなく
受け止めてしまいます。
これがコンクリートなら跳ね返るでしょう。
直接吊架方式では吸収できる構造がありませんので、
高速運転をすると離線のリスクが高まります。

和歌山線 Y型直接吊架方式

和歌山線 Y型直接吊架方式

最低でも支持点の部分だけシンプルカテナリーのような構造を
採用して水平性を高めるという方式をとりました。
国鉄オリジナルの直接吊架方式です。
特に正式名称がないみたいで私はY型直接吊架式と呼んでいます。
(支持点が逆Y字になっているので)

 

さすがに50km/hという最高速度は回避できたものの
それでも和歌山線の最高速度が85km/hになっていることから
わかるように85km/hが限界です。

 

同じように電化された土讃線の多度津~琴平もY型です。
最高速度は120m/hですがこれは気動車に限ったことで
電車は85km/hの制約を受けることになっています。

和歌山線 Y型直接吊架方式

吊架方式は直接吊架方式ですが、
その他の部分はシンプルカテナリー式と共通化されています。
しっかりとき電線も張られています。
き電分線も確認できます。

 

さすがは簡易電化です。
架線柱も貧弱なものを使っていますね。
シンプルカテナリーに更新するとなるとおそらく
架線柱の建て替えも必要かもしれません。
そこまでして更新するつもりはないでしょう。

→2015年09月04日の全行程はこちらへ



[スポンサードリンク]




鉄道コム


“和歌山線の電化で採用されたY型直接吊架方式” への6件のフィードバック

  1. batasyan より:

    私は和歌山線沿線に住んでおり、和歌山線の架線が特殊であること知りました。
    この記事にあります 和歌山側変電所は多分 ”布施屋変電所” になると思います。このブログの説明で使っている写真は多分千旦駅じゃないかと思いますがその1kmほど布施屋側に有ります。
    また、このブログで質問ですが 大回りで新幹線を使用する際、新大阪-彦根間を使う具体的なルートを教えて頂ければ幸いです。

    • hanatabiRSR より:

      コメントありがとうございます。

      >私は和歌山線沿線に住んでおり、和歌山線の架線が特殊であること知りました。
      あまり詳しくはないのですが、国鉄末期のお金がない時期に電化されたこともあり、部品点数を減らす工夫がされています。
      もともと非電化路線だったところを電化したため無理が生じているところも多いですね。
      見ていておもしろいものでした。

      >この記事にあります 和歌山側変電所は多分 ”布施屋変電所” になると思います。このブログの説明で使っている写真は多分千旦駅じゃないかと思いますがその1kmほど布施屋側に有ります。
      ご指摘ありがとうございます。
      Googleマップにて布施屋変電所確認がとれました。
      修正いたします。

      >また、このブログで質問ですが 大回りで新幹線を使用する際、新大阪-彦根間を使う具体的なルートを教えて頂ければ幸いです。
      こちらについてですが、新大阪から彦根に向かう途中で新幹線を使うということでよろしいでしょうか?
      出発地・目的地・新幹線利用区間を明記してもらえると助かります。

      ご返信よろしくお願いします。

      • batasyan より:

        お忙しい所返信ありがとうございます。また時間が空いてしまってすみません。
        私の場合は 千田-五条-奈良-柘植駅-草津 は確定なのですが
        1.草津-彦根-(新幹線)ー新大阪
        2.草津-京都-(新幹線)ー新大阪
        希望としては 1案で行きたいのですが大丈夫でしょうか?
        ブログ記事ですと 新大阪ー和歌山間は特急に乗れば半額なのですよね。
        子供がいるので、新幹線・特急乗車は喜ぶと思うので(^^ゞ

        • hanatabiRSR より:

          ご返答ありがとうござます。

          お問い合わせの件ですが、
          1.草津-彦根(米原?)-(新幹線)ー新大阪
          は米原~京都(厳密には草津)が重複になるので一筆にはなりませんね。
          在来線と新幹線で分離はされていますが同一路線として扱われます。

          2.草津-京都-(新幹線)ー新大阪
          こちらの経路は重複がありませんから可能です。

          確認方法は
          るるぶ交通経路検索で
          http://www.rurubu.com/train/

          【出発駅:千旦】
          【到着駅:田井ノ瀬】

          【経由駅指定】
          ・五条(奈良)
          ・奈良
          ・柘植
          ・草津(滋賀)

          【その他の条件指定】
          JRを利用する以外のチェックを外す

          運賃を計算するだけなので時間の指定は
          そのままで大丈夫です。

          上記の指定で検索すると
          ・合計金額:140円
          と出ます。
          一筆となっている証拠です。

          るるぶは旅行代理店JTBが運営しています。
          信頼性は高いです。
          こちらで検索すると大阪で紀州路快速に乗り換える
          経路が出ると思いますが
          京都→(新幹線)→新大阪→(くろしお)→和歌山
          でも問題ありません。

          https://www.jr-odekake.net/railroad/ticket/guide/03.html#3
          くろしおの特急料金は割引になります。

          記事にもしていますが、不正乗車と怪しまれることがあります。
          予定を紙に印刷しておいて説明を求められたらすぐに
          対応できるようにしておくと良いです。
          新幹線乗り換えは有人改札を通過するのでここが難所になります。

          ご参考にしていただければ幸いです。
          また何かありましたらよろしくお願いします。

          • batasyan より:

            ありがとうございます。
            実際 関西圏で新幹線を利用できるのは新大阪-京都間だけみたいですね。ハードルが高そうなのでやるかどうかは別ですが、勉強になりました。今後もよろしくお願いします。

          • hanatabiRSR より:

            いえいえ^^;
            確かに大回り乗車で新幹線が使えるのは
            京都~新大阪くらいかと思います。
            ・西明石~相生
            ・米原~京都
            を入れてしまうと大回りの選択肢がほぼなくなります。

            和歌山線や関西本線(加茂~木津)、
            草津線のような本数が少ない区間が入るので
            ハードルは高めですね。
            これに新幹線を加えると精神的な負担も大きく
            なるかもしれません。

            引き続きよろしくお願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です