鳴海駅はインテグレートとハイパー架線の合わせ技?ミュード架線




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私は乗り鉄派に分類されるのと自負しているので
基本的に乗ること主体なのですが、
最近は架線の観察をしながら乗り鉄を楽しんでいます。


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名古屋鉄道名古屋本線の鳴海駅の架線がなかなか
面白い吊架方式だったので観察してみました。

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鳴海駅は名古屋市緑区にある駅で急行以下の種別が
停車する駅です。
日中は急行列車が特急列車の通過待ちをする姿が
見られる駅でもありますね。

 

 

というのは今回重要な事ではありません。
問題は架線の吊架方式にあります。

 

 

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これが鳴海駅本線の吊架方式です。
吊架線が2本あり、電車線がDハンガーで接続されています。
このスタイルをダブルメッセンジャーシンプルカテナリーと
呼ばれています。

 

 

メッセンジャーは吊架線の英語名です。
2本の吊架線で1本の電車線を支えるスタイルの
架線吊架方式はこのようになっていますね。

 

 

ダブルメッセンジャーは風による揺れに強いとされています。
鳴海駅は高架駅で取材した時も風が吹き荒れていました。
このような場所ではダブルメッセンジャーが有効のようです。

 

 

10年前に開業した名鉄空港線も海風の影響を強く受けることから
ダブルメッセンジャーになっているようです。

 

 

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ただしこの吊架方式には違和感を覚えます。
吊架線と電車線の太さは同じくらいなのが普通です。
しかし、画像を見ると圧倒的に吊架線が太くなっています。

 

 

そこで出てきたのがJR東日本が採用しているインテグレート架線。
インテグレートとは「集約する」という意味があります。
架線は消耗品で時期が来たら交換が必要です。
そのため部品点数が多いとコストがかかります。

 

 

そのコストを極力抑えるために考案されたのが
インテグレート架線と呼ばれるものです。

 

 

参考サイト:新型架線柱現れる!

こちらのサイトで詳しく説明されています。
従来はき電線+吊架線+電車線の3点で構成されていたものを
き電線と吊架線を集約して「き電吊架線+電車線」としたもの
ということです。

 

 

JR東日本のインテグレート架線の特徴は2本のき電線のようです。
鳴海駅の本線がまさにそうですね。
名鉄名古屋本線は運行頻度が日中も比較的高いため架線の摩耗は
他の線より激しいです。
交換部品を減らせることはコストダウンになります。

 

 

ただし、き電線は高価な電線で摩耗もないので交換する必要が
ほとんどありません。
電車線を交換する場合は吊架線から外して交換する手間があります。
通常の3点で構成されたものは吊架線と電車線を交換するので
このタイプは保守性に欠けるデメリットがあるのです。

 

 

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き電線の懸垂碍子はこのようになっています。
架線は弛みが出るとテンションバランサと呼ばれる張力装置で調整が必要です。
前後の動きに耐えられるよう先端部分がローラーになっています。

 

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他の画像を確認すると碍子も可動しそうに見えます。
実際かどうするのかはわかりませんが。

 

 

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き電分線(フィードイヤー)です。
2本のき電線からそれぞれ給電するスタイルになっています。

 

 

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さらにき電線同士も並列で接続されています。

 

 

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電車線をの吊架はき電線2本を束ねる止め具からDハンガーを下げるスタイルです。
ちょうどこの場所は電車線同士の接続も行われています。


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鳴海駅はもうひとつ注目する点があります。
副本線側です。
本線側は吊架線が2本に対して副本線側は1本になります。

 

 

こちらも吊架線と電車線の太さがことなるのでき電吊架でしょう。
き電線が1本のタイプはJR西日本のハイパー架線のスタイルです。
ただし、JR西日本とは微妙に違う構造です。

 

 

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こちらは姫路駅の一部になります。
貨物列車が通過する本線がき電吊架でホームのある副本線は
シンプルカテナリーです。
き電線を複数設置するのはコストがかかりますから、
必要最低限にして残りはシンプルカテナリーを採用しています。

 

 

それに対して鳴海駅は本線も副本線もすべてがき電吊架。
なぜこのようなスタイルにしたのかは謎です。

 

 

鳴海駅は4戦に対してき電線が6本あるというお金がかかっている
構造となっています。
JR東日本のインテグレート架線とJR西日本のハイパー架線が
同時に見られる場所です。
(JR東日本でも1本タイプが採用されるようになったようですが)

 

 

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副本線側をき電吊架にすると面倒なことが起こります。
本線合流が厄介なのです。
名古屋方向を見るとすぐにジョイントがあり
き電吊架からシンプルカテナリーに変わります。
(吊架線の太さが違う)

 

 

き電線は太いので急な曲線には弱い構造です。
副本線から本線に合流する線上に使用するのは難しい物になります。

 

 

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これは鳴海駅を出発して本線に合流した後です。
合流線は左側に見えるシンプルカテナリー。
右側には鳴海駅副本線のき電吊架線があります。

 

 

き電吊架線はできるだけ直線になるよう距離を付けて架線を
外に出すようになっているのです。

 

 

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鳴海駅を出てしらばらくするとこのような複雑構造をした
架線設備が出てきます。
き電線の変更ついでにき電区分所も設置したと言うところ
でしょうかね?

 

個人的に見応えのある鳴海駅の配線でした。
これからも面白い架線構造を探してみたいものです。

追記1================

ハイパー架線とインテグレート架線は使用金属素材が違うようです。

  • ハイパー架線…アルミニウム系
  • インテグレート架線…銅系

JR東日本の新幹線向けき電吊架はCSやPHCみたいに銅を使っています。
方向は一緒でも根本的な部分が違っているようです。

追記2================

鉄道ピクトリアル2009年3月臨時増刊号【特集】名古屋鉄道によるとミュード架線が正式名称であることが判明しました。

 

ミュード架線の開発は阪神淡路大震災が発端のようです。
軽量な架線柱を含めてミュード架線と言うそうなので、単純にき電吊架をミュード架線とは呼ばないかもしれません。

 

ただ、名鉄では架線柱の立て替えも同時にやっている感じなので全部ミュード架線と言っても問題ない気もします。
JR西日本のハイパー架線も架線柱含めてなら誤用になりますが。

出典:鉄道ピクトリアル2009年3月臨時増刊号【特集】名古屋鉄道 P72

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