近鉄大阪線新青山トンネルのき電吊架剛体コンパウンドカテナリー式架線


剛体電車線


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西青山駅にやって来ました。
最近は珍しい架線をさがして取材をするようなことを
続けています。
今回は近鉄特有の剛体式コンパウンドカテナリーの
紹介をしていきます。


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西青山駅
秘境駅としても名高い西青山駅。
とはいっても毎時2本程度あるのでアクセス性は良いです。

 

この駅はハイキングに行く客用にある駅と言っても
過言ではないでしょう。
周辺には民家はほとんどないので定期利用者はいるのか
疑問なところです。

 

駅は高架駅で無人となっています。
自動改札はなくピタパの簡易読み取り機のみの設置となっています。
この秘境駅でもICカードでの乗降が可能です。

 

DSC04240
ホーム構造は相対式で2面2線です。
方面の表示には神戸三宮まであります。
大阪上本町や大阪難波の駅名変更もあったのでそのときに
同時に変更したためでしょう。

 

DSC04239
ホームに到着です。

 

新青山トンネル入り口
西青山駅は新青山トンネルを出てすぐのところにあります。
このあたりは特急列車が高速で運転をするため高速運転に対応できる
コンパウンドカテナリーという吊架方式を採用しています。

 

コンパウンドカテナリーについては阪急も採用しているので
関西私鉄においては採用ケースも多く珍しいものではありません。
今回、西青山に来た理由のがこれです。

 

剛体電車線
これです。
剛体式コンパウンドカテナリーです。
剛体架線は地下鉄などでは広く採用されているので周知されていると
思いますが、
通常の吊架方式に剛体を組み合わせているのは近鉄だけのようです。

 

しかも、剛体架線をコンパウンドカテナリーという高速運転向けの
吊架方式で採用しているため極めて珍しいと言えますね。
wikiによるとシンプルカテナリーバージョンもあるようです。
奈良線の生駒トンネルがシンプルタイプなのではと見ています。
機会があれば取材します。

 

剛体架線を採用している理由というのは技術系の人の話を聞かないと
わからないことですが、
トンネル内の架線交換というのは明かり区間の交換よりも
大変だそうで交換頻度を下げるために剛体を採用している
説が一般的です。

 

また、トンネル内で一番恐れられるのが架線断線です。
そして架線断線によるトンネル内火災。
剛体架線であれば断線するリスクはほぼゼロですから
安全対策としても剛体架線は有益のようです。

 

追記20141230==========================
某私鉄で保線関係をやっている知り合い曰く、
架線には5つの重要項目があり断線は含まれているものの
火災については含まれていないとのことです。
トンネル火災は車両側で対応するということになりそうです。
残りの4つは忘れました…
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しかし、デメリットも存在します。
剛体架線は弾力性が低いためパンタグラフの追従性が低く
高速運転に向かないという不利な点があります。
wikiによれば90km/h程度だそうです。

 

追記20141230==========================
こちらのサイトで130km/h対応というのはこの新青山トンネル
のことでしょうか?
某私鉄で保線関係をやっている知り合い曰く、
まっすぐ吊架線を伸ばしても架線間の中央付近は下がり
電車線をまっすぐにするのは難しいようです。
コンパウンドカテナリーは吊架線を2本にすることで2段階での調整ができ
よりまっすぐになるのではと話していました。
自社での採用事例がないので意図不明だそうです。
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近鉄はこの両者のデメリットを打つ消すため
電車線を剛体架線とし吊架方式をコンパウンド化することで
高速運転向けの剛体架線の開発に成功したといえます。

 

き電吊架剛体式
あとで気づいたのですが剛体架線部分の吊架線が太いのです。
さらにき電分線が補助吊架線に向かって伸びています。
阪急のところでも紹介しましたがき電分線は一度補助吊架線に
おろしてコネクタで電車線と接続するのが一般的のようです。

 

吊架線が太いということはあの可能性が疑われます。
き電吊架方式です。
播州赤穂駅のハイパー架線

 

き電吊架というのはき電線と吊架線を共用化してしまうものです。
架線の交換のメンテナンス性を犠牲にする代わりに
部品点数を減らすことができコストパフォーマンスが良いと
されている吊架方式ですね。

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追記
剛体架線のメリットに電車線の交換周期を長くするという
ものがあるようです。
電車線は断線防止のためだいたい直径9mm以下まで摩耗すると
交換する基準があるみたいです。

剛体架線は電車線と剛体を密接させているため、
直径9mm以下になっても断線リスクがなく交換周期を
遅らせることができそうです。

トンネル内の架線交換は手間がかかるので、
交換周期を遅らせる意味もあるかもしれません。

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もともとき電吊架方式とうのはトンネル区間で採用する事例が
多い吊架方式だそうです。
き電線は重量があるためまっすぐに張るには吊架具の数を
増やさないといけなくなります。

 

新青山トンネルの入口付近は架線柱の間隔が短くなっています。
これはき電線の重量に耐えるためでしょう。
通常の架線ではき電線は架線柱の高い位置にあり普通の架線間隔でも
支障はないですが、
吊架線として活用するとこのような弊害が出るのでしょうね。

 

トンネル内は架線柱ではなくトンネル断面に直接吊架する
ため重量を考える必要もなくき電線と吊架線を共用化できる
そうです。

 

播州赤穂駅では架線柱はそのまま流用してき電吊架している
ケースもあるので必ずしもそうとは限らないのかもしれません。
しかし、き電吊架がトンネル内向けに開発された吊架方式で
あるのなら新青山トンネルがき電吊架式である可能性は高いですね。

 

DSC04244

偶然撮影していた画像にき電線が吊架線に合流するものがありました。
これでき電吊架方式であることは間違いないでしょう。
き電線は他の電線より太いのでわかりやすいです。

 

太い理由は直流1500Vは低電圧なので安定供給するには太くして
通電性を上げる必要があるからです。
交流電化の場合は20000V以上の高電圧なので多少の抵抗があっても
通電の安定性は高く細くても問題ありません。

 

ということで新青山トンネルの吊架方式は
「き電吊架剛体コンパウンドカテナリー式」
ということができそうです。
こんな架線を使っているのは近鉄大阪線くらいでしょうね。
他は調べていないので現時点では不明です。

 

なかなかおもしろいものを見せていただきました。
山陽本線にき電吊架コンパウンドカテナリーはありますが、
ここに剛体架線を重ねてくるとは恐れ入ります。

 

今後もこのようなおもしろ架線を探していこうと思います。
京阪のダブルメッセンジャーコンパウンドカテナリーも
いつか調査してみたい架線のひとつです。

 

ちなみに、近鉄のトンネル区間ではこの方式を採用している
らしいので大阪難波あたりでは見られるかもしれません。
阪神なんば線は剛体架線を採用してそうですけど。



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